無線研の活動日誌

東京理科大学I部無線研究部の日々の活動状況を葛飾よりつぶさに報告いたします。 たまにプギャーしてください。

サイクロ減速機の作り方?

 こんにちは,4Eの佐藤です.
4年生となり半ば引退の身ですが,
これまでに使ってきた技術を後輩の為にうpしていこうかと.

 そんなわけでサイクロイド減速機の作り方をupします.
筆者は電気工学専攻のため用語の使い方等おかしな部分もあるでしょうが,流してください.
2年ほど前に本大会会場で見かけたのですが,スライダーヘッケンと
違いどこの人も製作方法upしてませんでしたので,記事にしてみました.

メリット
 小型・軽量が可能
 インボリュート歯車に比べて丈夫?
 高減速比が可能

デメリット
 低減速比が苦手(できないわけではないですが,手間と釣り合わないかと)
 出力を両軸仕様にできない?(自分が知らないだけかもしれませんが・・・)

ほかにもいろいろとありますが,代表的なところはこんなところかと.

1.設計 サイクロイド部
 サイクロイド減速機を設計する上で,必要なサイクロイド曲線に関しては
以下のサイトに掲載されているpythonスクリプトを用いました.
[1]Hypocycloid Gear Reduction
http://www.zincland.com/hypocycloid/
(補足:windowsでのpythonの使用環境としてはcygwin等々)

 上記サイト内ではインチ単位で扱われているが,コードを確認したところ,
単位が問題となるような処理は行われいなかったため,引数として希望する数値を
[mm]で与えればよい.注意点として,角度は[degree]を用いているようです.

(例)
 通常の1段サイクロイドの場合の減速比10:1,偏芯量1 mm 外歯ピン径4 mmの場合の
引数は次のとおりである.
hypocycloid.py -b 29 -d 4 -e 1 -a 3 -c 0.01 -n 10 -s 500 -f foo.dxf

-b : 全体サイズ
-e : 偏芯量 //後述するクランク軸の作り方を利用する場合は1でいいのでは?
-d : 外側ピン外形
-a : 圧力角
-n : 歯数
-s : サンプリング点数 //多いとCADで読み込むときに処理落ちします
-f : 出力ファイル名

 注意点
-sの値は十分に大きな値をとることを推奨します.
サイクロイド曲線の性質上,場所によって単位角度当たりの
変化量に非常に大きな差があるためです.


2.設計
 入力回転数が大きくなればなるほど震動が大きくなるので,可能な限り減速した
回転を入力とした方がよいです.が380直結でも一応できます.
個人的には嫌いですが.ええ、個人的には嫌いですが・・・
 
 軸受け回りのアキシアル方向の固定及びスペース調整を適切に設計し,また
製作すること(ココ重要).スペース不足の場合には動きが渋く,また,固定不足では
ガタの増大により接触部の接触角が変化し,効率の悪化と最悪は引っかかってしまい
動きません.

 各回転軸周りには外側ピンの接触を除き,転がり軸受け必須.滑り系では,
アキシアル(スラスト)方向固定が十分にできなくなるので.

 筆者は外ピンにベアリングを利用したものや自作真鍮ブッシュを利用したものも自作しましたが,
ベアリング使用->重い.効率はよさそう.強度は不明 MR63*2+Φ3ピンでしたが脚くらいならもつかと.
ブッシュ使用->動作はする.しかし使用するごとにブッシュが伸びて広がります.少なくとも内径3外形5の
真鍮ブッシュでは脚にすら使えません.素直に外歯もアルミを使用しましょう.

3.製作 エキセントリックシャフト
 適切な外形のss400又はs45cからの削り出しを推奨.
脚ならアルミ系軸でもよろしいかと.ここが死なれると面倒なので,
過剰強度上等だと思います.

必要なもの
 ・旋盤(3爪チャックで十分です.4爪独立チャック持ってる人は自分でどうにかしてね)
 ・偏芯量の3/2倍の板厚を持つ板(e=1->t=1.5) //ここから前述のeの値を決める方が常道です

手順1:入力軸側加工(段付軸,引きネジ用M3雌ネジを忘れないように)(図1)
手順2:1つの爪とワークの間に挟み,チャッキング(図2).
手順3:ダイヤルゲージを用いて,偏芯量が確かに正しいことを確認する.
誤差はダイヤルゲージ振れ2目盛以内を推奨.
だめな場合には板厚を変更し,最終的には紙等を挟んで調整(図3).
手順4:最初は断続切削となるので,回転数最低+切削液ばしゃばしゃとかけましょう.(図4)
円筒状になりましたら回転数を戻してベアリングに合わせ削りましょう.
内輪接触用の段の切削を忘れないように.また,引きねじ用M3雌ねじも忘れずに.
このときのベアリング勘合軸はベアリング全長よりかならず短くすること.
でないと,内サイクロイドのアキシアル固定ができません・・・

手順5:完成(図5)

かわロボ入門者へ
 アルミ軸はかなり熱膨張しますので,ベアリング勘合用の軸を作るときには仕上げ前に
削り代0.3~程度残した状態として一度冷えるのを待ちましょう.室温になったのちに仕上げ切削を


4.製作 その他
 その他パーツ類はCNCを使えば余裕です.困る点も特にないでしょう.
 サイクロイド内歯車の切削において外側に0.1mm程度オフセットした荒切削ののち,
仕上げ切削を行うことで端面がきれいになります.

手順を含めた制作例については後日upしますので,
そちらもご覧いただければ幸いです.


RobotWars時に使用していた機体に用いたサイクロイド減速機のCADファイルは以下に
一応upしておきます.使いたい方は勝手にご使用ください.もちろん利用は,自・己・責・任
ttp://www1.axfc.net/u/3526064 (h抜き)

(一部制作時に直した部分等ありますので,あくまで参考までにどうぞ.
一応後日ちゃんとしたverもupする予定です.)
使用CADはSolid Edge ST7です.学生版無料の良いCADだと思います.
Core i7 4790k+16Gでも時々落ちる程度には重いですけど.


補足
 質問等あれば気軽にコメントどうぞ.きっとあと数カ月はみていると思います.

+α 全体にねじり剛性が高くないとだめですね.負荷が大きいと減速機全体が
ねじれだします.
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